BMC Judgeを終えて 3
- Sun
- 22:13
- ESS
とりあえずこれで最後?
多少一般向けに?
扱ったテーマについてのコメントなど。
多少一般向けに?
扱ったテーマについてのコメントなど。
全体のテーマは、Oncology(腫瘍学)でした。いわゆる癌、ですね。
■ 抗血管新生療法
腫瘍が成長して大きくなるには栄養が必要。
そこで、腫瘍は自分のもとに血管をおびきよせて、栄養分を受け取って大きくなるんですね。
この血管新生を阻害することで腫瘍サイズの増大を防ぎ、さらには転移を防止しよう、という治療法です。
anti-Dll4 therapyのプレゼンでは、Dll4という分子(Notchリガンド)をブロックすることで正常な血管新生が阻害され、未熟な血管が誘導され、その結果腫瘍は低酸素を来たす、という新しい戦略が紹介されました。
血管の発生機序に着目した面白い話でした。
また、endostatinのgene therapyのプレゼンは、EPC(血管内皮前駆細胞)にendostatinをretrovirusで組み込んで注射すると細胞が腫瘍に集積してendostatinを持続的に産生することで抗腫瘍効果を発揮する、というものでした。
抗血管新生療法ってどの程度有効なんでしょう?
tumor volumeを減少させることで、survival rateはどれくらい変わるんでしょうか。
gene therapyには危険性が伴います。
retrovirusを使うとrandomにintegrationが起こり、そのsiteによってはoncogenesisが起こるという。
SCIDの治療で遺伝子療法した結果白血病になったという例がフランスでありましたし、
iPSの話でもretroは将来的に使わないようにする、ということが課題になってます。
AAVなどほかのウイルスを使ったり、その他の安全な方法を用いることが必要だと思いますが、
そのあたりはどの程度まで進んでいるんでしょうね。
ところで、腫瘍への血管新生が阻害されたら、化学療法が効きにくくなったりしないんですかね。
血行性転移は減るのか。あと、リンパ行性転移への影響はどうなのか。
疑問は尽きないですね~。
今後調べていきたいです。
■ 亜ヒ酸を用いた白血病幹細胞ターゲッティング
CML(慢性骨髄性白血病)の新規治療法のプレゼンでした。
白血病細胞の中には、ごく少数の薬剤耐性のある細胞がいて、白血病幹細胞と呼ばれます。
(すべての白血病で証明されているわけではありませんが。)
それはなぜ薬剤が効きにくいかというと、あまり分裂をしていない”休止期”にあるからだと言われています。
今回、亜ヒ酸という物質がPMLというタンパクに作用し、休止期にある細胞を細胞周期に入れる効果があることがわかったという最近の報告を紹介してもらいました。
亜ヒ酸はAPL(急性前骨髄球性白血病)の治療薬としても使われ始めているらしいです。
CMLでは若干作用機序が異なるらしいですが、詳細はまだ不明なのでしょう。
ほかの癌でも効くとなればすごいことですよね。
PMLという遺伝子の機能について、詳しく調べる必要があります。
■ 骨転移予防の新規薬剤
乳がんや骨髄腫、前立腺がんのような、骨転移を来たしやすい癌の治療において、骨転移を予防することでQOLを向上させる、というスタンスのプレゼンでした。
QOLもとても大事なことですよね。
しかし、骨転移が減ってもその他の転移が増える、という報告が少しあるようです。
どこまで確かかはちょっとまだ読んでいないのでわかりませんが、
転移先でブロックするだけでなく、原発巣からの浸潤・転移のスタート地点でブロックすることが必要なのかもしれませんね。
いまだに「転移」という現象についての分子メカニズムがしっくり理解できません。個人的に。
なんかよくわからないこと書きましたが、気にしない気にしない。
来年のテーマはNeurologyらしいので、気持ち切り替えて勉強していきますかね。
今回はあまりトピック探しに励まないようにしようかな・・・
後輩ががんばってくれるよねきっと。
さていろいろ書いてきましたが、
いろんなことを考えるよい機会になったという意味でもBMCジャッジは、とても勉強になりました。
ジャッジをやってみて見えてくるものもありますね。
このような機会を与えてくださったかたがたには本当に感謝しています。
どうもありがとうございました。
P.S. そろそろふつうのきじもかきますよっと。
■ 抗血管新生療法
腫瘍が成長して大きくなるには栄養が必要。
そこで、腫瘍は自分のもとに血管をおびきよせて、栄養分を受け取って大きくなるんですね。
この血管新生を阻害することで腫瘍サイズの増大を防ぎ、さらには転移を防止しよう、という治療法です。
anti-Dll4 therapyのプレゼンでは、Dll4という分子(Notchリガンド)をブロックすることで正常な血管新生が阻害され、未熟な血管が誘導され、その結果腫瘍は低酸素を来たす、という新しい戦略が紹介されました。
血管の発生機序に着目した面白い話でした。
また、endostatinのgene therapyのプレゼンは、EPC(血管内皮前駆細胞)にendostatinをretrovirusで組み込んで注射すると細胞が腫瘍に集積してendostatinを持続的に産生することで抗腫瘍効果を発揮する、というものでした。
抗血管新生療法ってどの程度有効なんでしょう?
tumor volumeを減少させることで、survival rateはどれくらい変わるんでしょうか。
gene therapyには危険性が伴います。
retrovirusを使うとrandomにintegrationが起こり、そのsiteによってはoncogenesisが起こるという。
SCIDの治療で遺伝子療法した結果白血病になったという例がフランスでありましたし、
iPSの話でもretroは将来的に使わないようにする、ということが課題になってます。
AAVなどほかのウイルスを使ったり、その他の安全な方法を用いることが必要だと思いますが、
そのあたりはどの程度まで進んでいるんでしょうね。
ところで、腫瘍への血管新生が阻害されたら、化学療法が効きにくくなったりしないんですかね。
血行性転移は減るのか。あと、リンパ行性転移への影響はどうなのか。
疑問は尽きないですね~。
今後調べていきたいです。
■ 亜ヒ酸を用いた白血病幹細胞ターゲッティング
CML(慢性骨髄性白血病)の新規治療法のプレゼンでした。
白血病細胞の中には、ごく少数の薬剤耐性のある細胞がいて、白血病幹細胞と呼ばれます。
(すべての白血病で証明されているわけではありませんが。)
それはなぜ薬剤が効きにくいかというと、あまり分裂をしていない”休止期”にあるからだと言われています。
今回、亜ヒ酸という物質がPMLというタンパクに作用し、休止期にある細胞を細胞周期に入れる効果があることがわかったという最近の報告を紹介してもらいました。
亜ヒ酸はAPL(急性前骨髄球性白血病)の治療薬としても使われ始めているらしいです。
CMLでは若干作用機序が異なるらしいですが、詳細はまだ不明なのでしょう。
ほかの癌でも効くとなればすごいことですよね。
PMLという遺伝子の機能について、詳しく調べる必要があります。
■ 骨転移予防の新規薬剤
乳がんや骨髄腫、前立腺がんのような、骨転移を来たしやすい癌の治療において、骨転移を予防することでQOLを向上させる、というスタンスのプレゼンでした。
QOLもとても大事なことですよね。
しかし、骨転移が減ってもその他の転移が増える、という報告が少しあるようです。
どこまで確かかはちょっとまだ読んでいないのでわかりませんが、
転移先でブロックするだけでなく、原発巣からの浸潤・転移のスタート地点でブロックすることが必要なのかもしれませんね。
いまだに「転移」という現象についての分子メカニズムがしっくり理解できません。個人的に。
なんかよくわからないこと書きましたが、気にしない気にしない。
来年のテーマはNeurologyらしいので、気持ち切り替えて勉強していきますかね。
今回はあまりトピック探しに励まないようにしようかな・・・
後輩ががんばってくれるよねきっと。
さていろいろ書いてきましたが、
いろんなことを考えるよい機会になったという意味でもBMCジャッジは、とても勉強になりました。
ジャッジをやってみて見えてくるものもありますね。
このような機会を与えてくださったかたがたには本当に感謝しています。
どうもありがとうございました。
P.S. そろそろふつうのきじもかきますよっと。
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Comment
2008.08.21 Thu 21:39 |
ジャッジ本当にお疲れ様でした。
当日はいろいろばたばたしてしまい、ご迷惑をおかけしたことと思います。
つっちーさんのBMCに対する姿勢はすごく参考になります。
事務局員として、WJEMAのBMCになにか貢献できたらいいなと考えておりますので、
またいろいろお聞きすることと思いますが、よろしくお願いします。
- #-
- kichi
- URL
2008.08.22 Fri 19:12 |
>kichi
お疲れ様です!
とても良い経験ができました。ありがとう。
俺もWJEMAのBMCに貢献できたらなと常々思っているので、何かあったら気軽に声をかけてくださいな。
もちろんCPCもがんばりますよっと。
- #-
- つっちー
- URL
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